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生産量日本一
Best in Japan

煮干しイメージ

生産量日本一!長崎の誇る煮干しいりこ

多くの料理に利用されている煮干しは、長崎県が全国の煮干しの3分の1と生産量日本一となっています。
なぜ長崎が生産量日本一かというと煮干しの原料となる魚の漁獲量が日本一であるということに他なりません。
長崎の煮干しは生産量だけでなく品質においても非常に高い評価をいただいています。

普通煮干と呼ばれているものは、カタクチイワシが多く使われています。
そのまま生の魚から乾燥させて作る素干し(すぼし)とは異なり、一度高鮮度の状態から釜で煮てから乾燥させます。その際、長崎は海水を使って煮るのが特徴です。

煮ることにより自己消化酵素を止めることができ、細菌を殺菌、身を凝縮することで脱水乾燥させやすくするためといわれ利にかなっています。
古くから素干し・煮干し両方の製法がありますが、煮る方が明らかに劣化をゆるやかにすることができます。

煮干しの生産量

煮干しの生産量グラフ

平成28年度農林水産省の水産加工統計。
平成4年(1992)の煮干し品生産量は約9万4千トンですが、平成28年(2016)は約5万6千トンまで減少しています。煮干の生産はそれほど大変な仕事なのです。

煮干し品はしらす干しといわしの2種類が生産のほとんどを占めており、平成28年煮干生産量の内訳は以下の通りです。

煮干品全体 56,243トン
いわし 18,988トン
しらす干し 31,953トン
その他(※) 5,302トン

※いかなご、こうなご、貝柱 など

旨味成分イノシン酸

旨味成分イノシン酸

煮干しのうま味成分は鰹節と同じ「イノシン酸」です。
原料であるイワシですが、不思議なことに生きている時は旨味成分イノシン酸がほとんどありません。
漁獲時に網が絞られると魚が暴れることで酵素作用により旨味成分イノシン酸に変化、しかしそのままだと時間経過とともにイノシン酸は失われるのですが、これを漁港に急いで戻ってすぐ加熱して煮ることを行えばイノシン酸の分解をストップできるのです。
ですから煮干製造は過酷で、昼夜時間を問わず水揚げ時間に応じて稼働します。

頑張って漁業者が鮮度を追い求め加工するのはこの美味しさを追い求めている証なのです。

煮干しは隠れた万能選手

煮干しは隠れた万能選手

煮干しは、料亭の味というよりは家庭の味とよく言われます。
全国で煮干しは生産されてきたため、全国のお店や家庭で使われたといっても過言ではなく、また味噌との相性が良いため味噌汁に好まれて使われたことからでしょう。
朝は一杯の味噌汁からということを考えるとおふくろの味=家庭の味と思われたのでしょう。

しかし近年では核家族化の進む中、上手な煮干の使い方が引き継がれず、特有の「魚臭い」などのイメージが進み、この50年間で1世帯あたりの年間購入数量は3割になったと言われます。

豊食の時代とはいえ非常にこの味を好む遺伝子を持つであろう日本人にとってはもったいない、残念でたまらない、そしてこれまでの祖先の努力や工夫を考えると申し訳ないとまで思えてくる状況です。
しかし実は煮干の実力は炊き込みごはん、そうめん、うどん、煮物、鍋などの和食だけでなく、他にもサラダやポン酢などオリーブオイルやドレッシング的な使い方や、ピザなど、あらゆる料理にあいます。
魚好きな人であれば、どんな料理でも美味しく使用することができる万能選手です。
ちょっと大げさにいえば、先人達が作り上げてきた煮干文化を引き継ぎ、私たちは後世のためにも、新たなる料理レシピ、用途の開発は責務であるとも思えます。

世界的に、ダシがブーム!

世界的に、ダシがブーム!

和食が2013年にユネスコ世界文化遺産となり、日本の食材や調味料への関心が高まっています。
昆布やかつおぶし、しいたけや煮干しの「だし」が、世界的に人気となっています。

特に「あごだし」「かつお」が先行していますが、訪日外国人に味噌汁をつくる体験学習は人気です。
化学調味料や添加物を使わない、和食のベースとなってきたダシは日本発信の調味料として和食を超えて、フレンチ、イタリアンなど世界的に認知されつつあります。